葉酸はほうれん草由来のビタミン

葉酸とは、ビタミンB9やビタミンMなどとも呼ばれるビタミンの一種で、その名前はホウレンソウの葉から発見されたことに由来します。

 

細胞分裂やDNAの合成といった、生物の成長に欠かせない栄養素であり、欠乏すると正常な発育が阻害されます。

 

また『増血ビタミン』とも呼ばれる葉酸は、赤血球の生成に一役買っています。

 

このため葉酸が不足すると赤血球の生成がなされなくなり、結果『体中に酸素を送る』という赤血球の重要な役目が果たされなくなったり、赤血球の減少からくる悪性貧血に陥ったりします。

 

葉酸の一日に必要とされる摂取量は、男性も女性も通常は『200μg』とされています。

 

その栄養素は野菜や肉など、私たちがよく口にするものに沢山含まれているため、普通に食事をとっていれば欠乏することはそうありません。

 

ただし『水溶性ビタミン』である葉酸は名前の通り非常に水に溶けやすいビタミンですので、調理の過程で減少することがままあります。

 

この性質のために、食事制限によるダイエットが原因で欠乏症に陥り貧血や舌の炎症といった症状が起こる、という例が見られます。

緑黄色野菜やレバーなどに多く含まれる

葉酸を多く含む食品には、レバーやウナギの胆、モロヘイヤといった、一般に『貧血にいい』とされている食品や、緑黄色野菜の中でもとりわけ緑色の野菜があげられます。

 

もっとも多いのが『鶏レバー』で100g中に1,300μgも含まれています。ただし葉酸には一日の上限量というのが設定されており、その量は1,000μg。

 

上限量も、先に説明した一日に必要な摂取量もあくまで計算で割り出した大まかな目標数字ですので、これを超えれば、下回ればすぐにどうこう、というわけではありません。

 

葉酸は過剰摂取した場合、食欲不振やむくみといった症状のほか人によってはアレルギー反応を引き起こす場合もありますので注意してください。

 

一方、葉酸は水のほかに熱にも弱いという特徴も持っています。

 

前述の鶏レバーであれば食べる際はたいていの場合、水にさらして血抜きを行った上で加熱調理をほどこすでしょうから、残る葉酸の量はだいたい半分以下になると思ってください。

 

当然、他の食品についても水や火を使った調理法によって葉酸量は減少しますので、量を計算したうえでの摂取を行うのであれば、この調理法による減少を念頭に置くことが必要でしょう。

安全な妊娠・出産のために必須

先に説明した通り、生物の成長にかかせない栄養素である葉酸は、妊婦もとい胎児の健やかな成長において重要かつ必要な栄養素です。

 

生まれてくる赤ちゃんは1万人に対して6人の割合で先天性の異常を抱えて生まれてくることがありますが、葉酸はこのリスクを減らす役割をしてくれ、特に無脳症や二分脊椎など脳や脊髄といった神経系に異常が起こる『神経管欠損症』の予防に効果があると言われています。

 

神経管欠損症が起こるのは、妊娠4週目から5週目。

 

このため妊娠を考えている女性、あるいは妊娠が疑われる女性はリスクを減らすためにも、葉酸を一日『400μg』摂るのが望ましいということが厚生省によって呼びかけられています。

 

この妊娠における一日の摂取量について呼びかけられているのは妊婦のみですが、一方で最近では興味深い研究結果も。

 

アメリカの動物科学の研究チームが、国際的総合科学ジャーナルであるネイチャーに発表した研究結果によると、葉酸欠乏食を与えられた雄マウスの精子に変化が起こり、結果、顔面異常や脊柱の変形といった先天的な形成異常を持った子供が生まれたそうです。

 

つまり妊娠にあたっては、その準備段階において女性だけではなく男性にも積極的な葉酸の摂取が必要であると言えるでしょう。